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第21章 好きな人

「縛られたいでしょ？　それともずーっとこのまま、放置されたい？」
「あ……んっ」

　麻人はそう言って、私の胸を柔らかく揉んだ。突然の刺激に声が零れ、体もびくりと反応する。
　放置は嫌だ。でも本格的に縛られるのも嫌だ。

「ほら」

　乳首をぐりぐりと刺激され、突き抜けるぞくぞくとした快感に、唇を噛んだ。足をぎゅっと閉じてその刺激をやり過ごそうとしたら、それすら麻人に邪魔される。私の足を開き、間に自分の体を滑り込ませてきたのだ。

「は、あっ」

　麻人の足が、私の股間に当たる。わざと膝の部分を当ててきて、ぐりぐりと軽くこすりあげてきた。

「……うっ」

　ずっと胸ばかりで、そこへの刺激は与えてもらえなかった。煽られて敏感になった体は、小さな刺激でも敏感に反応してしまう。
　同時にもっと、強い刺激が欲しくてうずうずした。

「は、あ、直接触……って……っ」

　焦らすような愛撫じゃ足りなくて、麻人を見上げてそう懇願した。

「じゃあ、縛っていい？」

　拒否、したいけどっ。それでまた焦らされるのは、耐えられない。