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可愛いヒモの育て方。
第21章 好きな人

 背筋はぴーんと伸ばしたままだし、胸を突き出すような体勢は、なんだか窮屈でもあった。
 縄は思っていたよりも痛くない。きゅうきゅうと締め付けられる感覚はあるけど。それで興奮するかと聞かれれば、微妙なところ。ただ、乳房や股に食い込む縄の感触は嫌だった。敏感な場所がほんの少しの身動ぎでも擦れて、変な気分になる。
 あと、鏡。

「ねえ、部屋戻ろうよ」

 鏡越し、後ろに立つ麻人にそう声をかける。

「なんで?」
「なんでって……」

 鏡と麻人を交互に見る私に、麻人はわざとらしく首をかしげてみせた。

「もう縛り終わったでしょ?」

 麻人の手元がちゃんと見えるようにという理由で鏡の前を選んだのなら、その目的は達成できた。そもそも、わざわざ鏡越しじゃなくたって、充分麻人の手元は確認できたし、そんなに怖いものでもなかったけど。
 卑猥な自分の姿が映るその場所から早く退きたかった私は、麻人の返事を待たずに脱衣所を出ようとした。

「あ……っ」

 だけどその瞬間、背中の縄を引かれ、股を通った縄がさらに股間に食い込む。その衝撃に、思わず声が洩れた。
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