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可愛いヒモの育て方。
第5章 熱

 最終的に土下座までさせられる始末。夕食中に何してんだか。

「最近、平日来るね。授業ないん?」
「火曜日しかないです。あとゼミと、就活のガイダンスがちょいちょい入りますけど。逆に土日は、企業説明会なんかもあって忙しいんですよ」

 道理で。土日に店でこの子を見かけなくなったわけだ。

「就活も本格的にスタートだね」
「はい、マジ面倒」
「頑張れ」

 そんな会話を続けつつ、ふと思う。
 一瞬迷った末、ずっと気になっていたことを尋ねた。

「学校が大丈夫なのはわかったけど、家は大丈夫なの? 最近頻繁に来すぎじゃないの?」
「平気ですって」
「……まあ、ならいいけど」

 家のことを持ちかけた時だけ、麻人の態度がなんとなく変わる気がする。連絡はしたのと促しても、ちゃんとしてると言うし、平気ですの一点張りなので、いつもそこで言及するのをやめてしまうのだけど。

「頻繁に泊まりにこられると迷惑ですか?」
「いや、全然。家事してってくれるから助かってるけど。家の人、心配してるんじゃないかなって」
「それは、大丈夫なんです」

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