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イヤよイヤよも好きのうち
第7章 にいづま


『では、俺はこれで。ごちそうさまでした。』
立ち上がろうとする俺の腕に、奥さんが絡みつく。


んな、何故だ?!


『早川さん…まだ行かないでください。』
『は、はぁ?!』
さすがに胸中が漏れた。
そんな無防備な格好で、誘惑ともとれるセリフを吐かれたら…誰でも言うでしょう。


『あの、いつもひとりきりで寂しいんです…もう少し、一緒に居てくれませんか?』
うるむ瞳。そんな目で見上げないで欲しい。
…妻を、思い出す。


───「私、毎日ひとりで寂しいの。お願い…構って…」


俺の妻も、専業主婦。
結婚して3年になるが…子供はいない。そりゃぁ…できないはずだ。
仕事にかまけて、セックスレス。
性欲がない訳じゃない。ただ、強くないのも事実。
草食系…とでも言えば聞こえはいいかも知れないが、妻にとっては、つまらないだけの男なのだろう。
それでも、妻とは愛し合っている。
生涯のパートナーとして、彼女以外はあり得ないのだから。


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