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イヤよイヤよも好きのうち
第8章 おっとのこうはい
ピンポーン
『…はい、どちらさまですか?』
『夏目と言います。ご主人と同じ会社の。早川さんはいらっしゃいますか?』
ガチャ
『申し訳ありません。主人はまだ戻っておりませんで…何か、申し伝えておくことはありますでしょうか?』
インターフォンにもすぐ扉を開けない。それは当たり前のこと。夫には心配をかけないように、私はひっそりと、いつも家に篭っている。
『ああ、そうだったんですか…僕は出先から直帰しまして。もう帰られてるかと思ったら、読みが外れました!』
会社の方が自宅に見えたことは初めて。さすがにお顔を拝見しながら対応しないとと思って出てきたら…とても無邪気に笑う青年がいました。