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イヤよイヤよも好きのうち
第11章 いとこ
俺にとっては妹みたいな存在で。こんな生意気な態度でも、つい優しく接してしまう。…が、仮にも年上の男をチャン扱い。かなりナメられている。昔はこれでも、「ユキ兄ちゃん」なんて甘えてきて…もっと素直で、可愛い性格だったんだけどなぁ…
『それで今日はどうしたんだ?
宿題見てやろうか?』
とりあえず部屋もあったまってきた所で、用件の確認だ。一応家庭教師のバイトをしている俺は、たまにキリハの勉強を見てやっている。まぁ…キリハは優秀なんで、ほぼ教えることはないんだけど。
『ううん、今日は勉強じゃないの。キッチン借して欲しくて…後でしばらく使わせてね?』
『…は?キッチンだ?』
『うん。
でもその前にユキちゃん、お腹がすきました!』
『は?はぁ…』
男の部屋に来る割に、料理の腕は一切提供しないキリハ。そのくせ今日に限って、キッチンを貸せとは…どういうことだ?
……まぁいいか。俺も、腹ペコだし。