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イヤよイヤよも好きのうち
第11章 いとこ

『んにぃいぃぃ!?』
繋いだ手をグイっと上に引っ張ると、キリハが爪先立ちで震え出す。
『キリハちっこいもんね〜。だからこうして毎日引っ張って、身長伸ばしてやろうかな?』
『む…むぅうぅぅ…バカにして///!』
『わ、痛て!ちょ、暴力反対です!』
『ユキちゃんのバカっ!』
パカパカ殴ってくる手を捕まえて、繋ぎ直す。俺より随分小さなそれは、からかってる間に、すっかり冷えちゃったみたいだ。
『はは、冗談。
俺にキリハはもったいないよ。』
『……ぇ?』
『早く帰ろうか、キリハは風邪ひきやすいんだから。俺も寒いのダメ。早く帰って、おこたでぬくぬくしよ…な?』
『……ぅん…///』
カチコチの手をポッケに入れて、キュッと握る。キリハはやたら力を込めて、ギューッと握り返してきたから。それが可笑しくて、俺は白い息を大量に吹き出して笑った。

