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イヤよイヤよも好きのうち
第11章 いとこ

『…彼氏?』
『え?』
『冷蔵庫のチョコは、彼氏にやるのかって』
振り返って見ると、キリハは俺のすぐ側に立っていた。風呂あがりで、上気した頬。ぶかぶかの俺のパーカーを羽織って…暑いからなのか、用意したスウェットは履かずに手に持っている。
『ううん、彼氏じゃない。その…好きな、人…』
俯いて、スウェットをキュッと握りしめるキリハ。ギリギリ下着が隠れる程度の丈のパーカー。そこから伸びた太ももに、いやでも目がいってしまう。
『…初めてなんじゃない?
キリハが手作りするチョコなんて』
『ぇ…うん、初めて…だから結構頑張ったんだぁ。あのね、自分で言うのもなんだけど、なかなか上手くできたかなって…あ!片付けユキちゃんにさせちゃって、ごめんなさ…』
『何で、家で作んないの?』
今まで、キリハが何人かと付き合ってきたことは知っている。俺だって彼女の話をしたこともあるし、キリハが誰を好きでも…今まで全然、平気だった。

