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イヤよイヤよも好きのうち
第11章 いとこ

『ぁ…お母さんがね、口出してくるの。昨日も家で作ってたんだけど…あたしが下手くそだからって、勝手に手伝ってくるから…』
『…邪魔が入んないように、俺ん家?』
『ぅん…絶対…
全部、自分で作りたかったから…///』
こんな気持ちは初めてだ。
俺、キリハに…イライラしてる…
『へぇ…随分と頑張ったんだね?
キリハにしては珍しい…』
『ほ、本命…大本命だもん…!ずっとずっと、大好きだったから…///今年こそ、好きって言うんだもん…!』
『……ふぅん…』
料理の苦手なキリハが、粉まみれになってまで…重い荷物を家から持ち出してまで…こだわった、手作り。
長年想いを寄せてた、どっかの男。
全部そいつのため…か。
『…その気持ち、届くといいな。』
『…う、ぅん…っ///!!』
キリハももうすぐ、高校を卒業する。甘えたがりで可愛いキリハはきっと…これからどんどん、俺の手の届かない場所へ行ってしまうんだろう…
大学に行けばそれこそ、人との交流も広まって…俺なんか…俺なんかいらなくなって…

