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イヤよイヤよも好きのうち
第11章 いとこ

なんだ…そんな理由?
わざわざ遠い弁当屋へ行くのも…
長く手を繋いでいたかった、ってこと?
『あ…!毎回
手袋忘れてくるのは、わざとだったんだ?』
『…ふん、だ!』
『キリハ可愛いね〜』
俺が笑うと、キリハはムッと不機嫌に。向こう向いてふくれてるけど、耳が赤くなってる。今までのも…これって照れ隠しだったのかな。
『ところでユキちゃん…
ユキにぃちゃんって、呼んだ方がいいの?』
『はい?』
『もう!ユキちゃんが言ったんだよ?!“何でそんな風に呼ぶんだ”って!ユキちゃんって呼び方、気に入らないの?!』
『あ、あー…別に、深い意味はないんだ//ちょっと、変なヤキモチ妬いただけっていうか…』
後で話して分かったことは。
いとこ同士が結婚できることを知った中学生のキリハは、俺を兄ちゃんと呼ぶことを辞めたんだそうだ。妹として見る俺を、変えたくて。
年上の男に、
何でチャンなんだと思っていた件は…
ユキ兄ちゃんー兄=ユキちゃん
という公式に基づいてのことだったらしい。

