この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
イヤよイヤよも好きのうち
第12章 かんさいじん
『お、うまい!カヨちゃんも食うてみ?めっちゃうまいで、この天丼!』
『…結構です』
『そない遠慮しーなや〜
あ、ほなちょっと一口くれへん?』
『……はあ?』
『カヨちゃんの親子丼。
それもうまそうやから♪』
『断固お断りします!』
『えー?いけず〜』
『………』
どうやら…この高峰という男の人。最近転職してきたばかりの、営業課の人だという。面識はなかったが、経理課の私のことは前任者の引継ぎで聞いて知っていたんだとか。
『あの…』
『おう、なんや?エビか?』
『……いりません。とにかく私の名前を知ってる理由は分かりましたけど、何でそんな呼び方するんですか?前任の鈴木さんは、普通に苗字で呼んでくれてたはずです。』
鈴木さんに限らず、社内の人はみんな苗字にサン付けで呼び合っている。そんなの社会常識でしょ?仮にも初対面の相手に対して、失礼だと思わないのかしら?