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イヤよイヤよも好きのうち
第12章 かんさいじん

『そら〜…仲良ぉなりたいからや!』
お水をくっと飲んで、明るい笑顔を見せる高峰さん。…黙っていれば、端正なお顔立ち。清潔感ある短い黒髪に、グレーの細身スーツ。低いカウンター席からはみ出す長い足。お世辞にも大きいとは言えない目元は、キリッとした印象なのに…笑うとくしゃっと崩れて愛嬌を生む。人懐こい笑顔と華のある存在感は…悔しいけどすごく目を引かれてしまう。……それでも、無礼者に変わりはないけど。
『仲良くなりたかったら、誰かれ構わず下の名前で呼ぶんですか、高峰さんは?』
『え?いや、そーいう訳やないけど…あ、気ぃ悪うした?そやったらゴメンな。もしかしてカヨちゃん怒ってる?』
『別に、怒ってる訳じゃないですけど…』
非常識だと言ってるんです。見た感じ、年上っぽいので…はっきりとは言いにくいですが。私が目線を外してお茶をズズッと飲むと、高峰さんは陽気な声を出した。
『ほなオレは、アキラでええから!』

