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イヤよイヤよも好きのうち
第12章 かんさいじん
『なんや、えらい汗だくでどうしたん?オレさっき経理課行ったんやで?今日はもう会えんのか思うてたのに…何何?オレのこと追っかけてきてくれたん?』
『………』
『──て、あっ!そのメモ!失くした思てたら経理に出してたんかぁ…あぁ!それでわざわざ届けてくれたん?!』
『………』
『えらい悪かったな、面倒かけてしも…て、え?カヨ…ちゃん?』
なんだかとても、惨めな気持ち。
あたしどうしたの…?
『ど、どないしてん?なんで…』
頬に指が触れる前、
あたしはその手を振りはたいた。
パシンッ…!
『さわ…らないで…!』
高峰さんの顔は、見れなかった。
『カヨちゃん…?』
汗だくになって走ってきたりして
…私バカみたい。
「あんた相当気に入られてるよね」
「気があるのバレバレよね」
あんな言葉、信じたわけじゃないのに…