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イヤよイヤよも好きのうち
第12章 かんさいじん
『なんや…なんで泣いとんや?!』
『いつも調子いいこと言って…結局誰でも良かったんですね』
『……?何言うて…』
『……せいぜい、
キレイな受付嬢と仲良くしたら?』
『は…?カヨちゃん、なんか勘違いし…』
『もう…気安く呼ばないでください!』
大事な商談メモを握り潰して、床に投げつける。そのまま非常階段へ走った。
『か…カヨちゃん…!!』
高峰さんは追ってこない。この手を掴んで引き止めて、本当は抱きとめて欲しいんだって…あたしは走りながらに自覚した。
『う、うえぇ…!』
非常階段に座り込んで一人、鼻をすする。
よく分からないけど、ひたすら泣けた。