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イヤよイヤよも好きのうち
第12章 かんさいじん
『え…4年前?』
『そや。駅前の噴水のとこ。あそこで会うたんが、カヨちゃんとの始まりや。』
アキラさんの腕枕。一緒に布団を被ったその中で、アキラさんが昔話を始めた。
『4年前って…あたし就活してた頃ですか?』
『そやろな、リクルートっぽい格好やったし。覚えてへんか?駅前で声かけてきた見知らぬ金パのロン毛に、ダメ出ししたこと。』
『金髪のロン毛って…あぁ!!
あのチャラリーマン!えぇ?!あれ高峰さんだったんですか?!』
『なはは…チャラリーマンな〜
それ、なかなか傷ついたわ(笑)』
『あッ…すみません』
『えぇよえぇよ、事実やからな。
あん時はオレもイキがっててん。』
あれはあたしが大学4年の春。将来への希望や期待を胸に、就活に明け暮れる日々を過ごしていた頃だった。