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イヤよイヤよも好きのうち
第12章 かんさいじん
『えぇっと、合同フォーラムの会場は…』
『なぁなぁ、おねーさん』
『南口を出た先の信号を…』
『すぐそこにめっちゃ美味いスイーツの店があんねんけど〜今から一緒に行かへん?』
『うん合ってる、こっちよね…』
『なぁって!聞いてるん?
ちょぉ、こっち向きい──』
その時───
正面からドウッと吹いてきた突風に、行く手を阻まれる。よろけたあたしの腕が誰かに掴まれて…
『ちょ、大丈夫か自分…?』
『……え、なに?』
ヒュオォオォォ……ッ!
過ぎ去った風に、ようやく目を開けて
『あ、あの…今何か言いましたか…?』
『……なんや自分、めっちゃタイプやわ』
『え……?』
背の高いその男の人を見上げると…
『えぇデコしとるで』
咲き始めの桜がチラリ舞い散るその中に、キラキラ輝くような笑顔を見つけた。