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イヤよイヤよも好きのうち
第12章 かんさいじん
『デ、デコ…?
あの、あたしに何か用でしょうか?』
『おう♪茶ー行きません?』
『は?』
『せやから!オレとお茶行こて!』
な…ナンパ?!何なのこの人。
『い、いえ…
あたしこれから用があるので…』
『あぁ、就活やろ?そこのスタジアムでやってる合同説明会な。あんなもん行かんでも、オレと茶ー行ってくれたらウチの会社に口利きしたんで?』
『…はあ?』
『ほれ名刺。オレそこの本社に勤めてるリーマンや。どや、そこいらの会社よかよっぽど価値あるネームバリューやろ。』
男が片手で差し出してきた名刺には、確かにCMでもお馴染みの大企業の名前が印刷してあった。
『…人事担当の方ですか?』
『ちゃう、ただのペーペー。せやけどオレ、上司には結構気に入られとんねん。身内からの推薦とあらば、書類選考くらいはすっ飛ばしてくれるで?運が良けりゃー最終面接だけで済んでまうかも…どや、ええ話やろ?』