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イヤよイヤよも好きのうち
第12章 かんさいじん
『……もういいです。
時間ないので失礼します。』
『なっ…?!ちょお待ちぃや!』
また掴まれた腕を思い切り振り払って、あたしはその金髪に怒鳴ってしまった。
『この…チャラリーマン!!』
『………っ?!』
『あなたが仕事サボってる間に、会社は大損害です!ノルマ達成できたら自分の仕事が終わりだと、本気で思ってんですか、このロン毛!!』
『………っ!!』
『能力があるなら最大限活かすべきです!雇ってもらった会社にも、社会にも、ひいては自分のためにも、それが社会人の役目でしょうがっ!!』
『んな……っ!』
『あたしは!目的と誇りを持って仕事をしたいんです!ネームバリューとか上司に気に入られてるとか、そんな傘着てあぐらかいてるようなダメ人間とは一緒に仕事したくありませんっっ!!』
『…………』
『失礼します!』
こんな経験は初めてだったから、よく覚えてる。名前も知らない赤の他人相手に啖呵を切ったこと…人として最悪なことしたなぁって、今でも後悔してる出来事だった。