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イヤよイヤよも好きのうち
第13章 やさしいひと
『れ、レンジくん…あの』
手を握られて、小走りで進む。普段あまり通らない廊下だから、どこに向かっているのかよく分からない。
『なんだよ…?』
男の子と手を繋ぐなんてドキドキするのに。何でもなさそうな顔するレンジくん。しかもその手のひらは…
『なんか、ベタベタするよぅ…』
『ああ…(笑)じゃ、こっち。』
無邪気に笑ったレンジくんは、反対の手に持ち替えた。…え、結局繋ぐの?
『しかしちっこいなー…』
遊ぶようににぎにぎ。わぁ…レンジくん、こんな大きな手なんだぁ…昔と全然違うね。
『ラッキー、鍵空いてんな!』
…ハキハキしてて、授業でもよく手を挙げる真面目な男の子。かけっこが速くて、言うことも面白くて、クラスの人気者だったレンジくん。どうしてサボリ魔になっちゃったの…?