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第13章 やさしいひと

『それにしてもタンパク質って…その白いものは、卵なの？』


胸元に手をやって、後ろからおずおず覗いてたタカナがぼやく。やっぱりな…自分が精液ひっかけられたなんて夢にも思ってないわけだ。


『じゃー次、スカートな。』

『きゃああああ！自分で！自分で脱ぐから、アッチ向いてぇぇ！！』


クルッと振り向いてスカートに手をかけると、タカナは絶叫して騒ぎ立てた。何を今さら…クラスメイトの女子更衣室なら、覗いたことあるってのに。


『はいはい…じゃー脱いだら貸して。ついでにホラ、学ラン使っていーよ。』


さすがにパンイチで放置すんのも可哀想かなと思い。腰巻にどうぞと、制服を手渡した。


『あ、ありがとう…優しいねレンジくん…』


何をもって優しいと言うかは人それぞれだ。やはり真相は、隠しておいた方が本人の為ですかね。ついでに言えば、こっから見える姿見でパンツの色も把握したという…この現実さえも。