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イヤよイヤよも好きのうち
第13章 やさしいひと
『綺麗に取ってくれてありがとう…それでレンジくん、掃除当番のことなんだけど。』
『ああー…うん、分かった。やってくよ、おれどこ当たってんだっけ?』
『うん…あのね、体育倉庫裏にある共同トイレだよ。』
無事にシミ抜きを終えた制服を着て、教室を出る。当番箇所を聞いたレンジくんは、ああ…とため息をついた。それもそのはず、そこは年中日当たりが悪くて、いくら掃除をしても清潔には見えにくい。一応、利用者もいるにはいるけど、できれば誰も使用したくない場所で。いわゆる…
『ハズレくじ、な。』
『うん…でもあたし手伝うから。』
『は?なんで。当番はおれでしょ?』
『あたしね、今月はどこも当たってないの。それに…お礼!この制服のお礼だよ!』
ここの当番が当たると、大抵の人はサボる。それでも定期的に先生のチェックは入るから、せめて一週間に一度は手入れしていないと、お説教をくらってしまう。