この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
イヤよイヤよも好きのうち
第13章 やさしいひと
コツン
授業中、頭に何かが当たった気がした。辺りを見ると、斜め後ろの席のレンジくんが、下を見ろってジェスチャーをしていた。
“今日、部室で待ってる”
足下に落ちていた紙くずには、そう書かれていた。振り向くと、もうレンジくんは机に顔を伏せていた。
(レンジくんから誘ってくれた…!)
レンジくんがハズレくじの掃除当番だった月も終わり、受験勉強も忙しくなってきた折…あたし達は少し疎遠になっていた。せっかく同じクラスで席も近いのに…レンジくんは大抵を、ああやって寝て過ごしているからだ。
(嬉しい…久しぶりにレンジくんと…//)
あたしは佐藤くんとの勉強会を断って、放課後は一目散に視聴覚室へと走った。