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裸の女神
第6章 岬エリカ
「女神の意味?」

「女の神様だよな?
直訳すると。
実際には、どんな女性にも、
女神のような部分が秘められている
って思うんだ。

例えばな、妊娠して子供を産む女性。
男には絶対出来ない。
出産の痛みは想像以上なんだろ?
その痛みを越えて命を誕生させる。
スタイルが壊れようと、
髪を振り乱れていようとも、
化粧もしない、
母乳をあげる為に、
崩れたオッパイになろうとも、
子供を誕生させ、
育てる女性の姿は、
何より美しいって、
なんかの本に書いてあったな。

なるほどなぁ‥‥‥
って思えた。
その姿は女神そのものじゃないか?


自分を犠牲に出来る女は、
輝くんだ。


仕事でも私生活でもそうじゃないか?
毎日楽しく幸せに生きれる人間なんて、
限られてる。
楽しい、幸せになる為に、
もがいている。
努力する。
空回りする。
そんな繰り返しの中に光はある。

一生懸命になれて、
上手くチャンスを掴んだ人間には、
辿り着ける場所がある。

でも、そこで胡座をかいていたら、
いつかまたその場所を失う。
違う誰かがまたその場所を得る為に、
死に物狂いで頑張って、
奪いにくる。
怠けた人間は、
追い出しを喰らうんだ。
人生は本当に上手く出来てる。

疲れたなら休めばいい。
英気を養い、
また輝けばいい。

成功を手に出来る人間は限られてる。
才能や運が見え隠れしながら、
掴むまで必死になれた人間だけが、
その世界を用意されてるんじゃないか?
って俺は思うんだ」


清水の言葉が頭の中で木霊する。
涙がまた出てきた。
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