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裸の女神
第6章 岬エリカ
清水は静かに言う。

「俺がいつもエリカに絶対言わない言葉があるんだ。

頑張れってな。

頑張っているエリカに、
これ以上頑張って欲しくないから。

頑張るってさ、
我を張るとも読むらしい。

我を張らずに、
そのままのエリカで居て欲しい。

マネージャーとして、
エリカを見れば大事な商品。
商品は出来るだけ大事にして、
貴重な女だと売り込まなきゃならない。

エリカを追い込んだ張本人の俺が、
エリカが苦しんでいるのを、
放っておける訳ないだろ!

済まなかった。

気づいてやれなくて。

一人の男として、
エリカを見れば、
輝き始めたお前を、そっと見守ってやりたい。

狡くなれば、
いつだって、お前が寂しい時に抱いてやる。
弱っている事をいいことに、
狡くなって、甘い言葉で、抱くのなんて簡単じゃないか?

簡単にお前を抱くなんて、
無責任にはなれない。


薔薇の咲く肌の
司馬風に言うなら、

エリカを抱いて、
エリカの良さなども知らずに、
AVの女だからなんて、
軽くエリカを思う男なら辞めとけ。

エリカを愛する男に、
今度こそ、
エリカ自身を捧げるんだ。

誰よりも、
エリカに幸せになって貰いたい。
これが俺の本音」
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