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第6章 学園性活開始

「待っていたわ。私は担任の川藤美琴です。よろしくね。」

「よろしくお願いします。」

「まどか先生や執事の村井さんから色々聞いているわ。
　色々と大変かもしれないけれど頑張りなさい。」

ショートカットのはつらつとした感じのいい先生だった。

「では、教室へ行きましょう。」

「はい。」

「一年生の教室は校舎の一階の奥よ。学年が上がるごとに階があがるの。」

そう説明されながら廊下を歩いていく。
廊下の窓から見える中庭、教室。
何一つ他の学校と変わらないような風景なのに……。
ここは本当に裏社会の学校なのだろうか。
葵には実感が沸かなかった。

「ここが教室よ。
　あなたの場合、少し他の生徒とは学園生活が違うかもしれない。
　大丈夫、頑張りなさい。」

そう言うと美琴先生は教室のドアをガラっと開けた。

「おはようございます。
　席に着きなさーい。
　今日は、皆さんもう分かっていると思うけど編入生を紹介します。
　葵さん、入って。」

葵が入るとがやがやとしていた教室が一気に静まり返った。
緊張して下を向きながら、一歩一歩前へと進む。
教卓の横まで来ると葵は顔をあげた。


きゃーーー！！！


「え？」

教室内に悲鳴とも取れる歓声が響き渡った。

「ほらほら、静かにしなさい！」

美琴先生がそうなだめるが、教室は興奮が収まらない。

「可愛いっ！」

「当主付きのメイドと同じクラスになれるなんて……。」

そう教室内から口々に声が聞こえる。

「葵さんは、窓際の一番奥。知香さんの横の席に座りなさい。」

「はい。」

席に向かうまでの皆の視線が熱い。
国語の美琴先生の授業が始まったのだが、もうクラス中がソワソワして授業どころではなかった。

授業のベルが鳴って休み時間になった途端に葵の周りに一斉に生徒が集まってきた。

「葵様！当主付きメイドと一緒に授業が受けれるなんて……。すごいです！」

「どうやって、東条様に見初められたのですか？」

「どうやってって……。えっと……。」

「可愛いです！」

「えっと、ありがとう。」

質問、質問、質問の嵐に葵は戸惑うばかりだった。
ここでヒロインの様に扱われいる事が全く理解できない。