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快楽の窓〜ショーケースの向こう側〜
第8章 3P
事が終わり、葵と凛は東条の部屋を後にした。

「葵ちゃん、私の部屋へよりなよー。」

凛がそう言うので、葵は凛の部屋へおじゃますることになった。

「おじゃましまーす。うわっ!」

部屋へ入ると、そこら一体に服、服、服が綺麗にディスプレイされている。

「この服どうしたの?」

「ああ。葵ちゃんに教えてなかったね。
 東条家のグループ会社の中で若い子向けの服のブランドがあるの。
 凛はそこのデザインとモデルをやってるのー。」

「す、すごーい!だから、メイド服特注なんだね。」

「そうだよーこれは凛のデザイン。
 達樹様にお願いして初めて作ってもらった商品なの。
 最初は殺風景な部屋だったんだけど、好きなように部屋を作っていいって言うから仕事部屋にしちゃってるんだー。」

性奴隷メイドだけではなくこんなことまでさせてもらえるのかと葵は驚いた。
凛は東条に才能を買われたのだろうか。

「あの、凛さん。
 凛さんは外部生なの?」

「ううーん、内部生だよ。」

「借金?」

「違うよー。うーん凛は人身売買で売られてたの。」

凛は笑顔だが、その言葉に葵はびくっとする。
自分も同じなのだが、借金の肩だった。

凛は続ける。

「葵ちゃんはいい子だから、凛の事話してもいいよー。
 減るもんじゃないし。
 それに聞いたら達樹様の事ちょっとは好きになってくれるかもしれないしね。」

「聞いてもいいですか?」

凛が葵をお姫様のようなベッドへ案内するのでそれに招かれるように横に座った。

「凛はね、小さいころから施設で育ったの。
 両親の事は覚えてない。
 ママが赤い髪の毛のイギリス人、パパは日本人だったってのだけ知ってる。
 生きてるかどうかは分かんない。」

(やっぱりハーフなんだ……。)

「施設ではね虐待を受けてた。
 体が小さかったことと私が赤毛だったから。
 イギリスでは赤毛はバカにされることが多いんだ。」

「ぎゃ、虐待……?」

今の天真爛漫な凛からは全く想像がつかない。

「毎日、あそこから逃げ出したくて死にたくて。
 私が十八の時に施設の経営が上手くいかなくなって人身売買されることになったの。
 これからもっとひどいところへ行くのかなって脅えていたけれど、同時にここから逃げれるってわくわくしてた。


凛は真剣に話す。
葵もそれに聞き入る。




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