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その、透明な鎖を
第6章 違和感
柔らかい、しっとりとしたその感触。
押し当てると、凛も、同じように少しそれを押し返すように。
ちゅっ……と、数秒後、そんな音と共に離した唇は、濡れたような艶を増していて。
彼はまたベッドに顔を預け、そっと彼女に尋ねる。
「俺とのキス、好き?」
「すき」
「俺とするセックスは?」
「……すき」
「じゃあ、俺のことは?」
くすっ、と彼女は笑って。
「ひみつ」
「は?」
彼の言葉に、またくすくすと笑って。
彼も、もうその彼女の濁し方には慣れているから、笑いながら溜め息をついて。
「いいよ。いつか絶対凛の口から言わせる」
――凛も俺のことが好き、って。
言われなくてもちゃんとわかってるから。
彼は、繋いだ手にぎゅっと力を込めて。
「好きだよ、凛」
そう言って、彼は笑った。
それに応えるように彼女も笑って――――。