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その、透明な鎖を
第6章  違和感


――暑い……。


外に出た悠斗はその刺すような日差しに、凛の家を出たことを少しだけ後悔した。
でも、あの空気。なんとなく感じた疎外感。


「……無理」


あのままあの場所にいるなんて、と。
彼は溜め息をついて、静かに歩き出す。
バイトの時間までまだ何時間もある。
一度、家に帰ろうと思った。


「暑いな……」


少し歩いただけで、背中はもう汗で濡れ始めて。
こめかみから、頬へもそれは伝って。

この汗は、暑さだけのせいなんだろうか、と。
うまく働かない頭で、彼はそう考えた。


――あの、違和感。
よくわからない、それ。
なんだか、うまく言えないけど、でも。


はあっ……と、溜め息が出た。


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