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その、透明な鎖を
第7章 空白の意味
「……したくなるから、もうだめ」
合間に、凛が困ったように呟いて。
「あれ、ちゃんと終わってないから……するの、もう少し待って?」
「……ん」
それを、彼も受け入れて。
じゃあ最後、と言って。また触れ合わせた。
「……何か飲み物持ってくるね」
そう言って、彼女は立ち上がる。
部屋を出て行くと、彼はベッドにそのまま身体を倒した。
「はあ……」
――俺、いったいどうしたいんだろ。
こんな、探るみたいな真似して。
そんなに気になるなら、いっそ面と向かって凛に聞けばいいんだ。
何言ってるの、と笑って否定してもらえば済むことなんだから。
そう思いながらも、何を聞けばいいのか。
どんな言葉を口にしたらいいのか。
……本当は悠斗自身にもよくわかっていなかった。