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その、透明な鎖を
第1章 そこにいたのは
「……行ってないの?」
「うん」
「その制服は?」
「ん? ふふ。可愛いでしょ」
……答えになってないし、と。
悠斗は心の中で呟いて。
「なんで、行ってないの?」
「高校に?」
「うん」
「んー……」
凛は、言葉を濁す。
この話にはあまり触れて欲しくないのだろうか、と彼は察して。
「言いたくないなら、別にいいよ」
そう、思わず口にする。
凛はその言葉に微笑んで。
「悠斗は優しいね」
そんなことを、言った。
「……そのうち話すね。だから、ねえ、悠斗」
「ん?」
「これからもこうやって会ってくれる?」