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その、透明な鎖を
第7章 空白の意味
ページをめくると、たくさんの彼女がいた。
友達と写ってる、凛。
親と写ってる、凛。
どれも全部幸せそうに笑っている。
「あ、これ。中学の制服?」
「ん。入学式かな」
さっきと同じぐらいの凛が、制服姿で、スーツ姿の両親に挟まれた写真。
「しかし、ほんと美男美女だよな」
思わず、言葉が漏れるぐらいの。
「凛も、めっちゃ可愛いし」
「えー」
「セーラー服って、なんかやばい」
「何が?」
「着てる凛を見てみたい。もうないの?」
「……悠斗、えっち!」
とんっ、と軽く身体を押されて。
それに笑いながら、彼は彼女をまたからかって。