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その、透明な鎖を
第8章 認めたく、なかったのに
「……いやだ」
悠斗の口から思わず、言葉が漏れた。
――凛が経験済みでも、別に構わなかった。
そんなの、過去のことだし。
今は、俺だけだと思ったから。
でも、本当にそれが事実なら。
凛は今も、父親と関係を持っているということで。
そして、俺ともしているということで。
「なんで……」
――なんで、親なんかと。
そんな、一番しちゃいけないはずの相手と。
悠斗は思い出す。
あの声を。
掠れたような艶めかしい、喘ぎ。
悲鳴のような。
泣き声のような。
――あんな声、俺とのセックスのときは一度も出したことなんかないくせに――――。