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その、透明な鎖を
第8章 認めたく、なかったのに
「――――っ……」
悠斗は、凛から目を逸らした。
凛のその戸惑いを目の当たりにしたことで、自分の欲望がすうっと萎えていくのを感じて。
――何やってんだ、俺。
彼女を組み敷くようにしていた自分の身体を、そっと起こす。
「……ごめん」
呟いて、両手で顔を覆い。
そのまま髪をかきあげた。
思わず漏れた溜め息。
「……悠斗」
凛は、そっと手を伸ばして彼の腕に触れた。
――びくっ、と。
彼の身体は反射的にその手を拒んで。
「……悠斗?」
さすがに彼女も気づいたようで。
すぐに、手を引いた。
「……ごめん。やっぱりいい」
彼の言葉に、え……? と小さく呟いて。
「無理強いして、ごめん」
凛の身体に跨がるようにしていた自分の足をどけながら、悠斗はそう言った。
横たわる彼女に背を向けて、ベッドから足を下ろす。
息を吐いて、彼は気持ちを落ち着かせようとして。