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その、透明な鎖を
第8章 認めたく、なかったのに
「……凛は、俺と会ってないとき何して過ごしてんの?」
そして突然、彼女に尋ね始める。
「え?」
戸惑いながらも、話を始めた彼に少し安心した様子で、凛は答えた。
「家のこと、してるかな」
「お母さんの代わりに?」
「うん」
「掃除したり?」
「うん。洗濯とか、ごはんの準備とか全部やってるよ?」
「へえ……」
ちら、と。
彼女に視線を向けて。
目が合うと、凛は軽く微笑んだ。
「だってパパは仕事だし。私、高校行ってないし、せめてそれぐらいしないと」
「……お父さんの相手もすんの?」
その顔を、見ながら。
悠斗がさりげなく口にした、その言葉。