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その、透明な鎖を
第8章  認めたく、なかったのに



――もう、無理だ。



こうやって。
凛の言動ひとつひとつに疑心暗鬼になるのが苦しくてたまらない。

そして悠斗は、とうとう意を決する――――。



「ねえ、凛」


彼は、ベッドの上で膝を抱えるようにして座っている彼女に、呼びかける。


「ん?」


その言葉に、彼に視線を向ける彼女。


「凛に聞きたいことがあるんだけど」

「聞きたいこと?」

「うん」

「え? 急に改まって、何?」


なんかこわいなあ、と言いながら。
それでも、ふふっ……と、いつもの笑みを浮かべて。

彼女の、その笑顔を見つめながら。
彼は、その言葉を静かに口にする。


「凛ってさ」

「うん」




「……凛って、お父さんとセックスしてんの?」





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