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その、透明な鎖を
第9章 だったらどうして
「私と、龍……血、繋がって、ないもんっ……」
ぽろぽろと涙を流しながら。
必死に、彼にそう伝えて。
「だから、っ……違うから……そういうんじゃ、ないからっ……」
自分たちは禁じられた関係ではないと。
……彼女はそう言いたいのか。
思ってもいなかったその言葉に、彼は呆然として。
彼女から静かに手を離して、そのまま自分の身体を起こす。
彼女は、ひっく……と、しゃくりあげながら。
両手で顔を覆って。
そのまま、泣き続けている。