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第9章 　だったらどうして

何が何だかわからなくて。
悠斗の頭の中は、もうごちゃごちゃで。


「……ただの遊び？　同い年の男とやってみたかっただけ？」


顔を両手で隠したまま、彼女は首を振る。


「じゃあ、何？　ほんとに、全然わかんないんだけど……」


頭が働かない。


――凛も、俺のことが好きなんじゃなかったの？
それともただの俺の勘違いだったってこと？


「凛……教えてよ」


掠れた、彼のその呟き。
それと同時に、凛の両手をそこから離そうと静かに動く彼の手。
凛はそれを拒まず彼のされるがままになって。


「ゆう、と……」


顔から離された彼女のその手を、そのまま彼はぎゅっと握って。


「ねえ、凛」


――好きなのに。
こんなにも、凛のことが好きなのに。



「俺は、凛にとって、いったい何なの――……？」