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その、透明な鎖を
第10章  私が失ったもの


私は、夜は時々ママのベッドに寝ていた。

精神的にまだ不安定だったパパをひとりにするのが怖かったというのがきっかけだったけど、パパの体調が落ち着いてきてからも、無性に寂しくなったときなど、時々そうしていた。
ママのいない寂しさが、ママのベッドで眠ることで少しだけ埋まるような気がしたからだった。

今日も私はそうやって。
パパの、あの姿を目にしたせいなのか、自分の部屋でひとり眠る気になれず、ママのベッドへと横たわって、目を閉じた。



――それが、まさか。
そんなことを引き起こすなんて。



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