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その、透明な鎖を
第10章 私が失ったもの
身を捩って逃れようとするも、完全に私に覆い被さってきたその身体からは逃げられない。
いくらパパが細身でも、大人の男の人の力には敵うわけがなかった。
ぬるぬると口内を侵してくる舌。
私の舌を捕らえて、絡めて。
「んっ、んん、ん――!」
頭を振っても、その唇は私を逃がしてはくれない。
さらに、手が。
部屋着のワンピースを肩からぐいっとずらして
下着をつけていない状態だった私の胸は、露わにされた。
「んんっ! ん――!!」
きゅっ……と。
そのまま、それを掴まれる。
年齢の割に大きめだと友達によくからかわれていた、そのふたつの膨らみを。
――パパ、やめて!
叫びは、声にならずにそのままパパの喉へと吸い込まれていく。
……涙が、溢れてくる。
もうどうしたらいいかわからなかった。
ちゅっ……と。
そんな音と共に、やがて唇が離されて。
もう放心状態でされるがままだった私は、それではっと我に返り、口を開いて抵抗の意を示そうとした。
でも、それよりも早く、パパが。
……パパが、言った。
「愛してるよ、桜――……」