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その、透明な鎖を
第10章 私が失ったもの
「はっ、ん……んん」
声を出さないように噛みしめた唇。
音と、さわられているその感触で、ぬるぬると濡れているのがわかるそこ。
身体って、気持ちいいとこんなふうになってしまうんだ……と。
そう思った、そのとき。
「――――!?」
ぬぷ……と。
そこに感じた異物感。
「ひっ」
パパの、指が。
私のなかへとはいってきた。
ぐちゅぐちゅと、それで入り口付近をかき回す。
「――――っっ」
痛くはなかったけど、その感覚に慣れない私は違和感を強く感じ、無意識のうちに身体に力が入ってしまったようだった。
「力抜いて」
でも、どうしても勝手に入ってしまう力。
私の意志ではどうにもできない。
……すると、入り口を弄ったまま、別の指が新たな場所を探った。
真ん中の溝を、指のあるその場所から上に向かって滑らせてくる。
「ふぁっ! や、んっ」
そこを、指先で擦られて。
背中をぞわりと何かが駆け抜けた。
びくびくと震えた身体に、なかの指がまた動き出す。
――ぐちゅ、と。
さっきよりもっと卑猥な水音を響かせて。
さっきよりも、少し奥を探る。