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その、透明な鎖を
第10章 私が失ったもの
「ん、ふう、っ……ん……」
上をこしこしと擦られて。
なかをぐちゅぐちゅと弄られて。
気持ちよくて、身体が勝手にくねってしまう。
鼻から漏れてしまう自分の息が、なんだかすごく、いやらしい――――。
「ああ――……桜、もうっ」
突然、パパがそう呟いて上体を起こす。
なかから指がずるっと抜かれて、あっ、と思わず声が漏れた。
服を脱いでいるのだろうか。
そんな音が聞こえて。
そして、再び覆い被さられる。
身体を私の足の間へとねじ込むようにしてきながら。
「――あ」
硬い、何かが。
私のそこにあたっていて。
「挿れるよ……」
私は、声が震えてしまわないよう気をつけながら、ただ、うん、と答えた。