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その、透明な鎖を
第10章 私が失ったもの
「ん――っ! んん!!」
パパが、私のなかで抜き挿しを繰り返す。
無理! もう無理……っ。
もう痛くて、これ以上は――――!!
「やだ、やあっ!!」
思い切り首を振った。
パパの唇が、私の口から外れて。
私はすぐにそう訴えた。
「痛い、やめてパパっ!!」
覚悟なんて、どこへ消えてしまったのか。
何も考えられなくて。
その行為をただもうやめてほしくて。
早く、抜いてほしくて。
「いやあっ!!」
パパの身体を力いっぱい押して、私はそう叫んだ。
そして、溢れ出る涙に、しゃくりあげながら。
ずっと、痛い……もうやだ、と。
ひたすら私は呟いた。
――いつの間にか、止まっていたパパの動き。
それに気づいた私は、はっとして、声を出すのをやめた。
静寂の中、身体に感じる違和感と、ずきんずきんとする痛み。それに耐えられずに時折漏れてしまう、私の震える息。
そして、耳にしたその呟き。
「凛――……」
そう、それは、私の名前――――。