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その、透明な鎖を
第10章 私が失ったもの
ずっ……と。
それが、少しずつ抜かれていく。
再び感じたそこへの痛み。
唇を噛んで、耐える。
パパは、無言のまま。
ゆっくりと身体を引いていき、やがてそれはすべて抜かれて。
そのまま、ベッドから降りる気配。
……突然、カチッという音と共に、部屋の明かりがついた。
眩しさに、思わず目を閉じる。
「ああ――……」
けれど、その呟きを耳にして。
少しずつ開いたその目に映ったのは、壁を背にして、崩れ落ちるように座り込む、そんなパパの姿だった――――。