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その、透明な鎖を
第11章 私と、そのひと
「……パパ、私、どうしたらいいかな……」
ベッドに腰掛けたまま、俯いて呟いた。
「普通にしようって、思うんだけど。
う、うまく……できないの、っ」
いっぱいいっぱいだった私の頭と心が、容易に涙を零させる。
「パパに、心配かけちゃ、いけないのに。
……わかってるのに、できないの」
はあ、っ……と。
溜め息が震えた。
「パパと、前みたいに戻りたいのに」
「……うん」
パパの声が、すぐ近くで聞こえた。
「凛は、何が一番つらい?」
優しい、その声が。
「……っ、わかんない」
そう言って、首を振る。
いろいろありすぎて。
いろいろなことが絡み合ってて、これ、だなんて言えなかった。
パパが私から距離を置いて、ベッドに座る。
「凛」
そしてひとつ、大きく息を吐く。
「……凛は、オレの子じゃないって言ったらどうする?」