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その、透明な鎖を
第11章 私と、そのひと
「凛!」
パパが、そんな私を強く抱き締める。
「触らないで!!」
パパまで。
パパまで汚れる! 汚れるから――――!
「離して!」
「凛!」
「やだ! 汚いっ、汚いからっ!」
「……っ! 凛!」
パパは、さらに力を込めて。
「――だから! だからほんとは言いたくなかったんだ……っ」
私の耳元で、まるで自分に言い聞かせるように呟くと、パパの腕を振り解こうともがく私に、それをさせまいと。
「やだ、パパ、パパあっ……!」
「凛! 落ち着け!」
「なんで、なんでっ!」
「凛!」
「なんで堕ろさなかったの!? なんでママはそんな男の子供なんかっ……私なんか、産んだの! なんでパパは産ませたりなんかしたの!」