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その、透明な鎖を
第11章 私と、そのひと
「……叩いたりして、ごめん」
そしてやがて言われたその言葉に、私はしゃくりあげながらも首を振って答える。
するとパパは、私の肩に手を置きそのまま少し身体を離して。
私の顔を覗きこむようにする。
「……凛」
優しく、痛む頬を撫でられて。
「凛は、オレが大好きな桜の子供なんだ……父親が誰かなんて、どうでもいい。桜が産んだ子はオレの子だ、って。ずっとそう思ってきた」
諭すように、ゆっくりと。
「なあ、凛……凛は、幸せじゃなかった?」
「……え……?」
「桜も、オレも。おまえをオレ達の本当の娘として、愛して、そうやって育てたつもりだよ?」
優しく響く、パパの声――――。