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その、透明な鎖を
第11章 私と、そのひと
父親との近親相姦。
一度の過ち、とはいえ……繋がってしまったのは、事実。
ママの大事なパパと、娘の私が、なんて。
時間が経つにつれ、その行為の重さはじわじわと心を苛んで。
だから、パパの告白は。
さすがに最初はショックを受けて思わずパニックになってしまったけど、でも。
「……ほっとした」
そう。それも、事実だった。
まだ頭がいっぱいいっぱいで、何を考えたらいいのかもよくわかっていないけれど。
……少なくとも、近親相姦ではなかったんだ。
私の口からそっと漏れた溜め息は、そんな安堵からくるものだったかもしれない。
「……でも、なんでパパは私が自分の娘じゃないってわかったの? パパの子の可能性だってあったんでしょう?
……DNA鑑定、とかしたの?」
落ち着いてくると、私はそれが気になって。
思わず尋ねたそのことに、パパは少し哀しく笑う。