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その、透明な鎖を
第11章 私と、そのひと
「産む、って決めたとき。そういうのはしないでいようって考えてはいたんだ。この子は、オレ達が育てる以上ふたりの子に間違いないんだから、って」
「じゃあ、なんで……」
「……うん。単純な話だけど……血液型が、違った」
「え?」
……嘘。
そんなはずは。
「凛は、A型だろ?」
私は頷く。
「桜は、O型」
「パパは私と同じA型でしょう? だったら」
何も、おかしくなんかない――――。
なのにパパは首を振る。
「……本当はオレも、桜と同じO型だから。だから、産まれる子供はO型しかありえないはずで」