この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
その、透明な鎖を
第11章 私と、そのひと
その紙に書かれていたのは、私とパパの親子関係の否定、だった。
そっか。
……そうなんだ。
私は、小さく息を吐いた。
パパが父親の可能性は、これで完全に……否定されてしまった。
「……パパ、自分はA型、って言ってたのは、私に、これがばれないように……?」
「……そう。凛の血液型を知ったとき。桜と話して、そう決めた。
幸い、それより前に凛に血液型を聞かれたことなんかなかったからね」
「そこまで、して」
「それで凛に疑われずに済むなら 、偽るぐらいたいしたことでも何でもなかった。
血液型なんて、そもそもわからなくたって何の支障もないだろう? 治療や何かで必要なときはその都度調べることになるだろうし。
……いつか分かってしまうときがくるとしても、隠せるうちは隠しておきたかった」