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その、透明な鎖を
第11章 私と、そのひと
「なら、なんで……」
「ん?」
「そんなふうに思ってたのに。なのになんで、私の血液型、調べちゃったの……?」
「え?」
少し、驚いた様子でパパは私を見る。
そして、ふっ、と笑って。
「……凛が、知りたがったんだよ」
忘れた? と。
「え、私?」
「そう。小学2年のときだったな。
友達のあいだで血液型占いとかそういうのが流行ってたみたいで。自分の血液型を知りたいって言い出したんだよ」
「……それで、親子じゃない、って」
パパは、静かに笑う。
「でも、それまでずっと、凛を自分の子として愛してきたから。自分の子じゃなかった、って分かっても、凛への感情が変わるとか、そんなのは本当になかった」
「パパ……」
「凛は、いつだって。桜の……オレの、可愛い娘だから――――」